最高の本。
どうも群青です
今日は、私の好きな本を紹介させていただきたいと思います
それは『人間の建設』です
ご存じの方いらっしゃいますかね?
文系的頭脳の歴史的天才の小林秀雄氏と理系的頭脳の歴史的天才の岡潔氏による対談が本になったものとなります
さっとプロフィールを
小林秀雄(1902~1983)
東京生まれ。東京帝大仏文科卒。
近代日本の文芸評論の確立者であり、晩年は保守文化人の代表者であった。
代表作に『考えるヒント』や『本居宣長』がある
岡潔(1901~1978)
大阪生まれ。日本数学史上最大の数学者。
多変数解析函数論において世界中の数学者が挫折した「3つの大問題」を一人ですべて解決した。
様々な分野の話が扱われているのですがすべてが高次元の会話なんですよね
今まで10回くらい読んでいるのですが読むたびに新しい発見があると言いますかスッと言葉が身体に染みわたるそんな感覚なわけです
今、置かれている状況下によって景色が変わるそんな不思議な本です
この本は、だいぶ前に行われた対話ではあります(1965年に雑誌新潮に掲載されたので55年前の話)
55年たった今でも言葉言葉が色褪せることなく力強いものとして残っていることを考えるとなんだか不思議な感覚におかれますね
天才同士の対話ですのではるか天空で対話が繰り広げられているのですがこれもまた一興と言いましょうかなかなか面白いわけです
言葉で羅列されているだけではなかなか理解できないところもありますのでその場に居合わせたかったなと思いました
そこでは、また違った感覚を得られたのかなとも思いますので
ここからは私が気になったところを2つ抜粋して紹介していきたいと思います
まずは一つ目
小林:詩というものも、僕ら、若いころと、それから近ごろと、考えが違ってきましたね。どうも自分でよくわからないことだが、老年になりますと、目が悪くなり、いろいろな神経が鈍ってきます。そうするとイマジネーションのほうが発達してきますね。どうもそういうことを感じるのです。そうすると、詩にしても、昔はずいぶん受け身でしたよ。向こうに詩がある。絵でもなんでもそうですが、こちらは敏感だから、向こうから一生懸命に貰うのです。吸収する。そして感動したものです。それがこの頃では次第に逆になりまして、私のほうからいろいろ想像を働かすのだな。
という一幕がありました
ここから察するに人間は変化するんだということですね
当たり前ですがね
若いときには周囲にはたくさんの学びが散在しているわけで常にアンテナを張って敏感なので様々なことを吸収できます
流行とかが特にそうなんじゃないですかね
相手から様々な情報を得るわけです
それが年をとればとるほど下の世代に何かを与える立場に変わるわけですね
今までの人生で得てきた経験を伝えていくことが下の世代に伝えていくことで新しい発見や想像力を生み出させるのだそんなふうに読んでいて感じましたね
こちら
小林:むずかしければむずかしいほど面白いということは、だれにでもわかることですよ。そういう教育をしなければならないとぼくは思う。それからもう一つは、学問の権威というものがあるでしょう。学問の、社会における価値ですね。それが下落している。
なんだか難しいことを言っているようですがどうやら極めて単純なことでした
ここでいう学問というのは必ずしも法律や数学などの学術的なものでなくてもいいんですよね
難しければ難しいほど面白いということはだれしも経験があることと思います
勿論、好きなことでですよ
例えば、プロのスポーツ選手
選手は、勝つことが面白いだろうが、何だろうが何より大前提としてそのスポーツそのものが好きになりそのもの自体が面白いから勝つことが面白いとのなるわけなんですよね
この点をみればプロのスポーツ選手は確かに学問をしているわけです
1つの道を究めると言いましょうかこのことは大変難しいわけです
この点でみると今までの学校教育の過程で難しいということを面白いという教育は受けてこなかったなと思い返すわけです
この対話の中で
岡:人は極端になにかをやれば、必ず好きになるという性質をもっています。
と述べておりスポーツ選手とかはまさに極端になにかをやって好きになったんだとそしてその結晶として選手として今、歩んでいるんだそう感じましたね
好きでものないのに試験勉強させられるとつらいというのはまさにこのことなんだなって思いますね
ただ試験のためだけに勉強をしてというあり方は本来の学問ではないですからね
この点でみれば、そもそもの学校教育の意を疑わざるを得ないのですが
この学校教育について思うことについてはまたの機会にしたいと思いますが学校の在り方ってなんだろうって読んでいて考えましたね
他にも本のタイトルの通り『人間の建設』とは何かそのヒントがこの本には隠されているように感じました
また、私もしばらくしたら読み直すでしょう
それではまた。